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強運の持ち主

私は守護霊とか、前世、ご先祖様の恩恵とか、目に見えないものの存在を信じているほうです。そのくせ凡人すぎるほどなーんにも見えない&感じないのですが。お盆のシーズンがやってくると、これまた何も感じないくせに、「今年もまたおじいちゃんやおばあちゃんが帰ってくるな」、なんて考えてとても神秘的な、そしてすこしぞくぞくするような感覚を覚えます。自分の人生の大まかな道筋を決めるのは自分自身、けれど目に見えない力、存在によって私たちが守られたり導かれたりすることってきっと沢山あるんだと思うのです。なんでこんなことを書くのかというと、夫のことを考えると、きっと彼は強運の持ち主だと感じることが多々あるからなのです。
彼の子供の頃の話。ティーンになった彼と2つ上の一番中の良かったお兄さん。良く二人で夜中にこっそりと抜け出して遊びに行ったり、たばこやお酒を親に隠れて覚えたり。小さいときはとっくみあいのけんかをしたけれど大人に連れて一番の親友になっていったそうです。そんな彼らがある日遊びの延長で、軍隊の車が走っているのを見つけて、うしろから必死に追いかけてジャンプ!気づかれぬままに車の後部に飛び乗ることに成功したそうです。しばらくしてから今度はそこから道路へジャンプ!兄はあちこちひどく傷を負い、帰宅後ママに問いつめられてしかられたそうです。弟である夫は無傷。どこもいたくもかゆくもなくってへっちゃら。二人で車にのって無茶な運転をしていたときのこと。運転を誤って急ブレーキ!車が360度ぐるぐるまわった後に破損。兄は骨折。でも弟である夫は無傷。これってなんなんでしょうか。兄の訃報を聞いたとき、夫は日本にいました。不安定なナイジェリアの情勢の中、兄は軍の影響を強く受ける警察によって銃で太股を撃たれたそうです。原因はよく分かりません。しかしその後兄がどこに拘留されているのか、義父、義母が必死になって警察をまわってもその所在は教えて貰えず、そして結果的になくなったと聞かされてもその亡骸がどこに持って行かれたのかさえ教えて貰えなかったそうです。兄が撃たれたと思われるまさにその日、日本にいた夫は寝ていましたが、撃たれる瞬間の映像がはっきりと頭に浮かび、冷や汗をかいて飛び起きたそうです。そして彼に何か起こったに違いないと確信をしたそうです。潜在意識の中で、安全なところに身を置く必要を感じていたからその時に夫は日本にいたのでしょうか。兄の死は今でもときおり夫をとても苦しめます。会いたくて会いたくて仕方のない人だそうです。夫が日本へ来るときに空港まで送ってくれて、いつまでもいつまでも手を振っていた兄の姿が忘れられないのだそうです。
その後、すぐ下の弟も強盗にあって不運にも命を奪われてしまいました。お隣の国、ベナンとの国境近くに住んでいたそうですが、やはり最後に彼を訪ねて、帰りのバスの窓からずっと手を振り続けていた弟の姿が今でも目に焼き付いているのだそうです。身近に悲しいことが多すぎても、それでも人はそういうものを全て背負って、前を向いて生きていかなければならないと思うと神様は時に不公平?!と思ってしまうこともありますね。でも同じファミリーの中に生まれて、こうして彼(夫)は日本で元気に生きている。とても強い何かに守られて。彼を日本へ向かわせ、日本人と結婚するように導いた目に見えない力はいったい何(誰)なのかなぁ?とよく考えることがあります。
お互いの人生の終わりに、その答えのようなものが分かるときがくるのでしょうかね。。。


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